今回は、『無肥料栽培を実現する本』(著:岡本よりたか、出版:マガジンランド)を要約します。
この本は主に、
- 誰かが言っている事をただ真似してやるのではなく、自分の頭で考えて無肥料栽培が出来るようになりたい
- 無肥料や自然栽培をする上で、”なぜ野菜が育つのか?”をきちんと知りたい
- 今、家庭菜園をしているが、上手く野菜が育たない
という方へオススメです。
特に凝り性だったり、お仕事柄”理論を学ぶ”機会が多い方(それこそ医学とか)などは、かなりハマると思います。
僕も、この記事を書いている現在は、Youtubeで自然栽培系の発信をされている方の動画で勉強しているのですが、改めて「活字で読むと理解が進むな」と感じました。
今回は、チャプターの内容を取り上げる形式ではなく、【本書がどのような構成になっているか】、【どのような内容が書かれているか】などについて主に記載します。
ぜひ、詳しい内容が気になる方は、本書をお手に取って頂ければと思います。
本書の構成
本書は以下のような章立てになっております。
- 基礎 編
- 畑設計、畝作り 編
- 草を観察する 編
- 病害虫 編
- 栽培 編
- プランター 編
- 種 編
それぞれの章では、ざっくり以下のような内容について書かれています。
基礎 編
この章は、ガッツリと理論について書かれています。
植物が成長する仕組み、窒素や炭素、成長に必要なミネラル、土、微生物の必要性、、、
無肥料栽培をする上で基礎となる、”基本の考え方”について学ぶことが出来ます。
逆に言うと、難しい事が苦手な場合はここは飛ばしてしまっても良いかもしれません。
畑設計、畝作り 編
ここから、いよいよ「農業」の内容に入っていきます。
まずは種や苗を植える前の、土作りからです。
岡本さんの無肥料栽培では、トラクターで畑を耕すのは最初の土作りの時のみで、基本的には自然栽培などと同じように、雑草を上手く活用して土を作っていく、という考え方です。
ただ、何も手を加えない”自然栽培”と違う点は、土作りをより確実に、再現性高く、そして早期に行うため、自然の循環の中で発生するものは利用する、という事です。
細かい方だと「それは自然栽培とは言わない」と言う方がいらっしゃるかもしれませんが、著者は「米ぬかや腐葉土、草木灰などを利用する事は不自然ではない」と考えているため、あえて”無肥料栽培”(もしくは『よりたか農法』)と表現しているそうです。
草を観察する 編
ここは、自然栽培でもよく言われる、雑草についての章です。
生えている雑草で、今の土の状態を判断し、必要のない草は抜く、草刈りをする、などの処理について記載されています。
実際に畑を持っている方には、非常に参考になる章かと思います。
病害虫 編
こちらも草編と同じく、虫についての章です。
著者の無肥料栽培や、自然栽培では、農薬は使用しません。
そこで、どのように虫の被害を管理するか、という点について記載されています。
詳しい内容は本書に記載されていますが、大事なのは
なぜ虫が来るのか?
を考えることだ、と著者は言っています。
また、何をしにくるのか?というポイントも考える事によって、虫が来る前にその「理由」をなくしてしまう、などの工夫についても学ぶことができます。
栽培 編
お待たせしました、と言ったところでしょうか。
ここからが、実際の野菜を植える時の話になります。
著者は野菜の植え方として、コンパニオンプランツという方法をオススメしています。
これは、例えばトマトであれば、トマト”だけ”をその畑(畝)に植えるのではなく、他の野菜(バジルやネギ、いんげん豆など)と一緒に植える、という方法です。
これによって、良い組み合わせであれば、お互いの生長を助けたり、1つの野菜が虫を遠ざける役割を働く(例えば、バジルはトマトに寄ってくる虫の嫌いな匂いを出す)、などの効果が得られるそうです。
人気の野菜のうち、数種類について、どのような野菜と植えるのが相性が良いか、という事が記載されています。
その他、生長した時の管理方法(ツタをどう支えるか、など)についても記載されています。
育ててみたい野菜がある方は、そこから優先して読んでも面白そうですね。
プランター 編
ここは、なかなか近くに畑がなく、野菜を育ててみたいけどやる場所が、、、と思っている、まさに僕のような人向けの章です。
野菜を植える点は基本的に5章と同じですが、畑と違うのは「土」です。
プランター栽培をする上での、土の作り方、管理方法などについて記載されています。
また、オススメのプランターは、プラスチックなどよりは、素焼き(テラコッタ)や木材のものの方が良い、とも書かれています。
種 編
最後に種についてです。
基本的にはどこかのスーパーやホームセンターで種は買えるかもしれませんが、自分で種取りが出来ると、いわゆる”固定種”などの存続には非常に有効です。
また、育てる側としても、子供、孫、ひ孫、、、のような形で、同じ種を維持して育て、食べ続けられるのは、なんだか愛着が湧くと思いませんか?
その種取りの方法や、種から見た時の”種まきの方法”について記載されています。
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