不健康な社員というリスク②:出勤していても集中できない体調かもしれない
リスク①では“いないこと”(=absence)についての話でしたが、こちらは“いてもあんまり役に立たない”(=useless)という状況です。
例えば同じ風邪を引きやすい人の話ですが、風邪は通常、1日で完治しないですよね?
軽いのどの痛みや、せき、鼻水が2,3日続くこともあると思います。
そのような「軽い不調」であっても、人間の思考力ってかなり落ちませんか?
特に呼吸に関わる鼻水、せきなどは、酸素の取り込みに影響しますので、身体の仕組み的にも脳への酸素の供給量が減る、つまり脳のパフォーマンスが落ちるのは論理的です。
風邪を引けば、体力も多少落ちます。
病み上がりでは、適切な労働時間であっても1日体力が持たないかもしれません。
そもそも、8時間労働は人間としては働きすぎ、という意見もあったりします。
https://www5.cao.go.jp/j-j/wp/wp-je17/pdf/p02023.pdf
こちらも、体調を崩しがちな優秀な人よりも、体調管理が上手い普通の人の方が、長期で見た時の付加価値が高いかもしれません。
不健康な社員というリスク③:周囲の人へも悪影響をもたらす可能性
これは少し言葉が強いかもしれないので、丁寧に補足させてください。
腐ったミカンは周りも腐らせる、というような表現を聞いたことがありますか?
冷蔵庫などで腐りかけの野菜や果物を置いておくと、なぜか周りも早く腐っていく、というような事象を、人間関係にも例えて言っているものです。
しかし、これと同じような感覚を感じたことはありませんでしょうか?
1番イメージしやすいのは、タバコ。
職場に限ったことではありませんが、タバコの副流煙が周りの人の健康も害します。
吸っている本人(=腐ったミカン)だけでなく、周りの人の健康にも悪影響(=腐らせる)を与えるという一例です。
また、飲み会が好きだったり、不健康な食生活に職場の人を付き合わせる人なども、こういった例に当てはまると思います。
お酒が好きな上司に新人が付き合わされ、夜中まで連れ回され、新人は寝不足で次の日の仕事のパフォーマンスが上がらず、ミスをして怒られて仕事へのモチベーションが下がる
というようなケースは容易に想像出来るのではないでしょうか?
飲み会自体を否定している訳ではありませんが、節度がない、長期的な健康について意識のない人がそれを行うのは止めた方がいい、と僕は考えています。
【1人でやっている】ならまだしも、【他人を巻き込んでいる】という点がポイントです。
会社という単位では、1人のパフォーマンスが下がるだけでなく、複数の人にまで影響してしまうということは、業績にとってかなり致命的なのではないでしょうか。
お酒を飲んで仲良くなるのはもちろん良いことですが、仲良くなったその結果が仕事の効率に反映されないのであれば、それは意味がないと言わざるを得ません。
組織において、周りに悪影響を与える存在はなるべくいない方が好ましいのではないでしょうか。
まとめ
今回は、不健康な社員を雇うことの会社にとってのリスクを解説させていただきました。
少し表現などが強くなってしまい、あまり心地いいものではなかったかもしれません。
しかしこういった話に耳が痛くなる方が多いからこそ、中年になり、多くの人が医療のお世話になり、介護などに発展し、ひいては健康を維持している人々の健康保険料も高くなっていくのです。
給料が上がらないと嘆くその背景には、自分の行動が自分の首を絞めている、ということがあるかもしれません。
こういった状況を変える上で、サラリーマンが多い日本では、会社という”雇う側”の意識を変えることが効率が良いのではないか、と僕は思いました。
ゆくゆくは、”先天的な理由”や”どれだけ食生活などに気をつけていても駄目だった”などの場合を除き、生活習慣病にかかっている人=自己管理ができない、だらしない人、という認識が定着すればいいな、とすら思っています。
自分の健康すら管理できないのに、部下を管理したり、プロジェクトを管理することは果たして可能なのでしょうか?
確かに今結果を出している人はいるかもしれませんが、他の人に任せた方が本当はより良い結果を出せた可能性はないでしょうか?
そんなことを考える人がひとりでも増えれば、この記事は価値があったと感じます。
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