おすすめポイント3:心が折れたときの処方箋ー何を信じていいのかわからないー
ここからはQ&Aのような形で、解決策(というより考え方)を提示してくれるセクションになります。
その中でも僕がここで取り上げたいのは、【何を信じていいのかわからない】というセクションについてです。
これは現在(2022年8月現在)において、かなり大きなキーワードなのではないでしょうか。
様々な環境の変化があり、多種多様な情報が飛び交っています。
そんな中で、まさに”何を信じていいのかわからない”と思ってらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
この気持ちに対する回答を、著者は教えてくれます。
結論としては、現実や事実を正確に見ていくしか手段はない、としています。
つまり、誰かが助けてくれるようなものではなく、自分で判断すべき、ということではないでしょうか。
突き放すような結論かもしれませんが、究極的に僕はこの考え方を支持しています。
端的に言うと、「他人を頼るから、他人の意見に右往左往する」のです。
本書において、何を信じていいのか分からなくなる理由として、あれこれ考えるのが面倒なので「知識を固定化したい」という願望がある、と指摘しています。
確かに、色々なことをあれこれ考えるのは面倒なので「〇〇はいい!」と決めておく方が楽ですよね。
しかし、あなたがどんなに知識を固定化したくても、この情報社会では正反対の情報も入ってきてしまい、結果的に混乱してしまうのではないでしょうか。
しかし本来、知識はつねに更新・変化・流動を余儀なくされるものだと言います。(医療などは、その最たる例です。)
何かの知識を得た際には、
- なぜそうなるのか(=>理由、論理性)
- 本当にそうなのか(=>事実確認、情報の一部が切り取られていないか)
- どんなケースでも当てはまるのか(=>特別なケースだけ大きく見せていないか)
などを考えて、発信者の思惑どおりの情報を鵜呑みにするのではなく、本当の現実や事実を見抜く力を養うしかないのではないでしょうか。
まとめ
本書は、具体的な解決策よりも、ベースとなる考え方について詳しく書かれた書籍です。(この点が個人的に、このサイトと似ている気がしています。)
著者が前半に食事についての内容を持ってきたのは、やはり人間のメンタルに取って食事が大事だと考えている、ということの表れではないでしょうか。
しかし本当に著者がこの本で主張したいのは、他人や外の世界とどう接するかではなく、自分がどうするかだ、ということだと感じました。
語弊があるかもしれませんが、どんなに周りからストレスを受けても、自分がそれをストレスと感じなければストレスにならない、というようなことでしょうか。
近頃世の中に出回っている情報は、思想のない方法論が多く、マインドセットについて学ぶ機会は非常に少なくなっていると感じます。
これは、人との関わり合いも含めてです。精神的に成長させてくれるような人間関係と出会える機会も非常に少なくなってしまったのではないでしょうか?
そんな状況においては、非常に貴重な一冊だと言えます。
人生のメンターのような精神的に導いてくれる人が周りにいない方はぜひ、お手にとって本書の内容を読んでみてください。
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